Śūnyatā

『第一回 秋のこども文学展』2026 ── 芥川龍之介『蜘蛛の糸』と、こどもの本の復刻版|Śūnyatā(滋賀・多賀)
← Śūnyatā 2026.11.16 — 11.21

第一回だいいっかい秋あきのこども文学展ぶんがくてん

芥川龍之介の『蜘蛛の糸』は、子どものために書かれたお話でした。

大正たいしょうの雑誌ざっし『赤あかい鳥とり』と、
昭和しょうわはじめの絵本えほん『キンダーブック』。

百年前ひゃくねんまえの子こどもたちがひらいた物語ものがたりと絵えを、
多賀たがの小ちいさなギャラリーで。

2026.11.16 月げつ — 11.21 土ど
13:00–19:00(最終日さいしゅうび17:00まで)
入場無料にゅうじょうむりょう・予約不要よやくふよう

極楽ごくらくの蓮池はすいけのふちから、
お釈迦しゃかさまが一本いっぽんの蜘蛛くもの糸いとをおろす。

教科書きょうかしょでも知しられるこの場面ばめんを芥川龍之介あくたがわりゅうのすけが書かいたのは、1918年ねん(大正たいしょう7年ねん)のことでした。大人おとなの押おしつけの教訓きょうくんや、粗末そまつな読み物よみものばかりだった時代じだいに、夏目漱石なつめそうせきの門下もんかであった作家さっかの鈴木すずき三重吉みえきちが「子こどもにこそ、大人おとなが本気ほんきで作つくった本物ほんものの芸術げいじゅつを」と立ち上たちあげた童話どうわと童謡どうようの雑誌ざっし『赤あかい鳥とり』。その創刊号そうかんごうのために寄よせられた最初さいしょの一篇いっぺんが『蜘蛛くもの糸いと』です。

三重吉みえきちの情熱じょうねつには、のちに『杜子春とししゅん』も書かいた芥川あくたがわをはじめ、『一房ひとふさの葡萄ぶどう』の有島武郎ありしまたけお、『赤あかい鳥とり小鳥ことり』や『かなりや』などの童謡どうようを生うんだ北原白秋きたはらはくしゅうら第一線だいいっせんの表現者ひょうげんしゃが応こたえ、洋画家ようがかの清水しみず良雄よしおがモダンな木版調もくはんちょうの表紙絵ひょうしえを描えがきました。言葉ことばの質しつをすこしも落おとさず、すべての漢字かんじにふりがなを添そえて子こどもたちに手渡てわたされた、日本にほんの児童文学じどうぶんがくの原点げんてんです。

第一回だいいっかいのピックアップ作家さっかは、芥川龍之介あくたがわりゅうのすけです。

説明動画せつめいどうが『赤あかい鳥とり』(約やく1分ぷん・音おとは出でません)
童話と童謡の雑誌『赤い鳥』復刻版の平置き
観察絵本『キンダーブック』復刻版の平置き

言葉ことばの『赤あかい鳥とり』に続つづいて生うまれた、
「目めで見みる世界せかい」の芸術げいじゅつ。

1927年ねん(昭和しょうわ2年ねん)11月がつにフレーベル館かんが創刊そうかんした『キンダーブック』は、創刊そうかんからおよそ百年ひゃくねん、いまも全国ぜんこくの幼稚園ようちえんや保育園ほいくえんで読よみ継つがれている日本にほんでいちばん古ふるい月刊げっかんの保育絵本ほいくえほんです。「子こどものための絵えは、大人おとなの絵えの縮小しゅくしょうではなく独立どくりつした芸術げいじゅつである」と掲かかげた童画家どうがかの武井たけい武雄たけおや、詩人しじんの西條八十さいじょうやそらが顧問こもんとして名なをつらねました。

自然しぜんや身みのまわりのものを自分じぶんの目めで見みて知しる「観察絵本かんさつえほん」として、大判おおばんの見開みひらきいっぱいに当時とうじの高たかい印刷技術いんさつぎじゅつによる鮮やあざやかな多色刷たしょくずりで走はしる汽車きしゃや街まちのくらし、四季しきの草花くさばなを描えがき、書店しょてんではなく全国ぜんこくの幼稚園ようちえんへ直接ちょくせつ届とどけられました。

百年前ひゃくねんまえの情熱じょうねつごと、
棚たなから選えらび、手てにとってひらく。

会場かいじょうに並ならべるのは、『赤あかい鳥とり』(1968年ねん・日本近代文学館にほんきんだいぶんがくかん刊かん)と、『キンダーブック』(1978年ねん・フレーベル館かん刊かん)の、いずれもおよそ半世紀前はんせいきまえに、当時とうじの紙質かみしつや色合いろあい、装幀そうていまで忠実ちゅうじつに写うつしとって作つくられた復刻版ふっこくばんです。これまで集あつめてきた所蔵品しょぞうひんの中なかから、時代じだいの空気くうきを濃こく残のこす冊子さっしを選えらび、表紙ひょうしが見みえるように並ならべています。

「子こどもにこそ本物ほんものを」と願ねがった当時とうじの作つくり手てたちの思おもいを受うけ継つぎ、ここではすべての本ほんを自由じゆうに手てにとってお読よみいただけます。当時とうじのかなづかいと活字かつじの風合ふうあいを大人おとながひとりでじっくり味あじわう時間じかんにも、小上こあがりに座すわってお子こさんのそばで声こえに出だして読よむひとときにも、どうぞ気軽きがるにお立ち寄たちよりください。

開催概要かいさいがいよう

会期かいき
2026年ねん11月がつ16日にち(月げつ)〜21日にち(土ど)
時間じかん
13:00〜19:00(最終日さいしゅうび21日にちは17:00まで)
入場にゅうじょう
無料むりょう・予約不要よやくふよう・出入りでいり自由じゆう
会場かいじょう
Gallery 濔巒でいらん
(Śūnyatā 内ない)
住所じゅうしょ
滋賀県しがけん犬上郡いぬかみぐん多賀町たがちょう多賀たが1123-1
交通こうつう
近江鉄道おうみてつどう 多賀大社前駅たがたいしゃまええきから徒歩とほ約やく10分ぷん
駐車場ちゅうしゃじょう
施設前しせつまえに無料駐車場むりょうちゅうしゃじょう(5台だい)
館内設備かんないせつび
ベビーカーや靴くつのままで入館にゅうかんできます。小上こあがり席せきとおむつ替かえの場所ばしょがあります
併設へいせつカフェ
営業えいぎょうしています(展示てんじのみのご観覧かんらんも自由じゆうです)
開幕かいまくまで あと—日にち

11月がつ16日にち(月げつ)13:00 にはじまります

Google マップで場所ばしょを確認かくにん ↗